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黄体機能不全と多嚢性卵巣症候群(PCOS)

黄体機能不全と多嚢胞性卵巣症候群の
治療と高まる妊娠率

黄体機能不全

黄体機能不全は不妊の患者さんでよく見かける病気です。黄体ホルモンは、体温を上昇させ、妊娠を継続させるホルモンですから、黄体機能不全の患者さんは、黄体期(高温期)の短縮、月経周期の短縮を示します。この病気は診断の基準がはっきりしていません。しかし、患者さんの数が多いのは事実です。

黄体機能不全は、その程度にもよりますが、治療により比較的早期に妊娠に至りやすい不妊ということもできます。また、医療機関に相談する前に、家庭で基礎体温表をつけていれば、そうではないかという疑いを自分でもつことができます。基礎体温表をみて、以下のような所見があれば黄体機能不全を疑ってみる必要があります。

  • 1)高温期の日数が10日以内の場合
  • 2)高温期と低温期の平均の差が0.3℃以内の場合

1)については、多くの基礎体温表では36.7℃は赤い線や点線で表示されています。この線より上を高温期と考えます。この日数が10日以内の場合は、黄体機能不全を疑います。

2)については、高温相と低温相のそれぞれのほぼまん中と思われるところに横線を引いて、その差が0.3℃以内であれば、やはり黄体機能不全を考えます。 医療機関を受診すると、高温期の中頃に採血を行い、黄体ホルモン(プロゲステロン)濃度を調べます。この値が 10mg/ml未満であれば、黄体機能不全と診断されることが多いようです。

ところで、黄体とはどのようなものだったでしょうか?

「妊娠のメカニズム」を思い出して下さい。卵巣の中で成熟した卵は、卵を包んでいる袋(卵胞)の直径が20mm前後になると排卵します。そして、排卵した後の卵胞が変化したものが黄体です。黄体は黄体ホルモンを分泌し、女性の体温を上昇させ、妊娠しやすい子宮内環境をつくります。

黄体機能不全の治療ですが、これまでは、黄体ホルモン(プロゲステロン)が不足しているのだから、それを経口薬や注射で補充するというのが一般的でした。しかし、最近では、黄体機能不全は卵胞の発育障害や排卵障害がベースにあり、黄体そのものに問題がある黄体機能不全は存在しないのという考え方が主流です。

したがって、黄体機能不全の治療は、黄体ホルモンを単に補充するより、排卵誘発剤による排卵の促進をおこなう方向にあり、妊娠率が高いといわれています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞性卵巣症候群は不妊患者さんでしばしば見かける病気です。これは女性の卵巣の中で卵子は成熟するのですが、卵巣の外側の膜がかたく、排卵できない排卵障害の代表的な病気の1つです。

この病気をわかりやすく説明するために金魚鉢と中にいる一匹の金魚をイメージしてください。金魚鉢が卵巣で、金魚の口から出た1つのアワが卵胞です。アワは水面に向かって上昇するとともに大きくなり、水面に達するとはじけて消えます。これがまあ排卵ですね。多嚢胞性卵巣症候群では、ぽっとアワが出て、だんだん大きくなるところまでは問題ないのですが、水面に油の膜のようなものがあり(実際は卵巣の表面の膜が硬く)、はじけて外へ飛び出す事ができないのです。ですから多嚢胞性卵巣症候群の患者さんの卵巣を超音波検査で見ると、卵巣の中にポカリと抜けた丸い空洞(嚢胞)がたくさんならんで観察できます。これを産婦人科の先生はネックレスサインとよんでいます。

患者さんの脳は、なんとか排卵させようとしますから排卵を促すホルモンである黄体化ホルモン(LH)が常時多量に分泌されます。生理が始まってから2日目から5日目に各種のホルモンの検査をしますが、この値を基礎値といいます。この基礎値は通常、卵胞刺激ホルモン(FSH)>LHですが、多嚢胞性卵巣症候群の患者さんではFSH<LHとなっています。多嚢胞性卵巣症候群の患者さんの基礎体温は乱れ、月経不順となります。排卵があったりなかったりする人や、全くみられない人もいます。

多嚢胞性卵巣症候群の人は、体型的に肥満傾向の人に多く、多毛や声の低音化などがみられ、その発症に男性ホルモンの分泌異常が関係してると考えられています。 しかし、やせた女性や、多毛などの症状が全く見られないひとも多くいますから、注意が必要です。

多嚢胞性卵巣症候群の治療として、初期には経口、そして注射による排卵誘発が行われます。しかし、体は常時排卵させようとしているわけですから、ここに排卵誘発剤を投与することにより、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が通常より発症しやすくなります。

この病気に対する外科的な治療法として腹腔鏡治療があります。これは腹腔鏡でおなかの中を観察しながら、卵巣の表面に穴をあけ、排卵しやすくするというもので、妊娠率も高いといわれています。ですから、この病気とわかっている人や、疑われている人は、今自分が治療を受けている(これから受けようと思っている)医療機関が腹腔鏡検査を行えるのかどうか調べておくとよいでしょう。

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≪院長プロフィール≫
こまえクリニック院長 放生 勲

昭和62年3月 弘前大学医学部卒業

都内の病院にて2年間の内科研修

フライブルク大学病院および
マックス=プランク免疫学研究所留学

東京大学大学院医学博士課程修了
(東京大学医学博士)

平成11年5月こまえクリニック開院

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